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      もし摩擦がなかったら・・・。
      例えば、摩擦を自由に制御する技術を手に入れ、急に摩擦をなくし
      たとします。すると、山や丘は崩れて平地になろとして地面が動き
      出します。織物の糸が解けて衣服がバラバラに解体され、釘やネ
      ジで締め付けて造った建物は崩壊します。また電車や自動車や自
      転車は動かせなくなり、もし動いていたら停まれなくなって走り続け
      ます。もちろん人や動物の足の裏が滑って、歩くことさえできなくな
      ります。
      多くの場合、摩擦は抵抗力として世の中に不要なものと見なされて
      いますが、実は摩擦があるからこそ、物と物が強固に結び付き、
      また運動と停止が可能になるのです。しかし、現実の世界での物理
      現象としての摩擦は、いつもは人目に触れることはないので、意識
      にも上がらないのです。日ごろは空気の存在を意識しないのと同じ
      ように、摩擦の恩恵と弊害について思い巡らすことはまずありませ 
      ん。このように摩擦は、何か問題が起きたときだけ話題になるような
      縁の下の力持ちの技術なのです。     


案内形式 接触式案内
すべり案内 ころがり案内
構造
長所  
 ・剛性が高い
 ・機械本体と一体に出来る
 ・所用スペースが小さい
 ・摩耗調整が出来る

 ・摩擦抵抗が大きい
 ・潤滑保守が必要
 
 
短所
 ・摩擦抵抗が小さい
 ・潤滑保守が容易
 ・取り付け、取り外しが可能
 ・高速制御可
 ・すべり案内に比べ負荷容量が小
  さい
 ・剛性が小さい
 ・吸振性が劣る
 ・組立に時間がかかる

案内形式 非接触式案内
静圧案内 磁気浮上案内
構造
長所
 ・摩擦抵抗が非常に小さい
 ・摩耗がない
 ・発熱が少ない
 ・負荷容量が小さく、過負荷に弱い 
 ・剛性を高くとれない
 ・振動が減衰しにくい
短所
 ・摩擦、摩耗が生じない
 ・空気などの媒体が不要
 ・広い温度範囲で使用可能
 ・クリーンである
 ・姿勢制御が難しい
 ・電気抵抗や過電流による発熱が
  生じる